経鼻内視鏡検査 ~ 苦しくない内視鏡検査|きとう胃腸科内科クリニック
以前 都心部の方はよく目にしていたと思いますが、内視鏡検査は経鼻(けいび)内視鏡で!! とよく電車の中に(特に目立つのが羽田からのモノレール、山手線)宣伝がありました。
学会の参加やその他で1~3か月に一回くらいは東京に行っているような気がしますが、羽田からのモノレールで特に経鼻内視鏡検査に関するコマーシャルが多かったです。
とにかく受けてみてください。楽です。 というような印象の宣伝ですね。
あまりの多さに 「う~ん・・・会社の戦略だな~」 と感心したり、困ったりの印象でした。
おそらくは一般の方は実情を知らないから、情報を全部を知らずに経鼻内視鏡検査を希望する方が多いのではないかな? という印象です。
普通に検査を受けた場合は結構苦しいですからしょうがないのかもしれませんが・・
以下の点だけは よくわかった上で経鼻内視鏡検査を受けたほうがいい です。
重要な点のみ
●経鼻内視鏡は普通の内視鏡検査に比べて明らかに解像度が落ちます。
自分も実は購入を検討したことがあり、実験的に一週間の予定で借りました。
しかし、一日ではなくおひとりの患者さんの検査のあとに「一週間借りる予定でしたが、もういいのでお返しします。」と返却しました。
なぜってよく見えないのです。
自分の印象では15年以上前の内視鏡と大差がない・・・という感じです。
消化器がある程度専門の医師に関してはこの検査は現時点では、サムライに例えると
錆びた刀でものすごい剣士と戦えといわれているようなものです。
●二つ目・・・これは実際には医師が説明の段階でおやめになるようにアドバイスをすると思いますが、小柄な方には少し無理があります。 もっと具体的に言うと鼻の穴が小さい方です。
実際に入ったあと検査終了後に抜けずに内視鏡自体をペンチか何かで切って事なきを得た・・という実例もあるようです。
●最後の点はほとんどの内視鏡医は考えていないような印象ですが・・・
自分が一番恐れているのはキシロカインという局所麻酔を高濃度(濃いということ)で使用することになり、キシロカインアレルギーが実際に起こってしまうと相当に危険であることです。
この点は多くの消化器専門家がおそらくはよくわかってないことですし、もし起こった時にキチンと対応できる消化器の医師はそう多くないと思います。
自分はアレルギーもかなり専門的にわかりますし、救急医療の経験もかなりありますので急変時にある程度は対応できる方だと思います。
しかし、内視鏡検査時にキシロカイナレルギーがおこって助かったという実例を自分は聞いたことがありません。
つまりかなりの確率で死亡しているという事です。
ちなみに自分のクリニックではこのキシロカイナレルギーを極力起こさないようにするためもに静脈麻酔を使用しているので局所麻酔剤を使用していません。
大まかに言うと以上のような点が問題です。
長所・短所をわかった上で経鼻内視鏡検査を選択するのは良いのですが・・・
医療界は情報の偏在性が大きいです。
自分は先輩・後輩のしがらみがなく結構思ったことをはっきり言う方ですので情報的には本音の情報で一般の方には重要なものが多いと思っています。
少なくとも がん家系の方は経鼻内視鏡検査をいまは受けるべきではない・・・と自分は思います。